旗竿地の接道義務とは?測量・境界確認で失敗しないための基礎知識【東京都】

結論からお伝えします。
旗竿地で「接道義務を満たしているか」を正確に判断するには、
境界がどこで確定しているかを抜きにして考えることはできません。

― 将来の判断で迷わないために知っておきたい基礎知識 ―

現況だけを見て判断すると、
将来の売却や建替えの場面で、思わぬところで話が止まってしまうことがあります。

この記事では、

  • 旗竿地と接道義務の基本
  • なぜ測量や境界確認が重要になるのか
  • 現況測量と境界確定測量の違い
  • 公道(市区町村・都・県)との境界確定が関係する理由

を、専門用語をできるだけ使わずに整理して解説します。


旗竿地とは何か|接道義務が問題になりやすい土地形状

旗竿地とは、
道路に接する細い通路部分(竿)の奥に、敷地本体(旗)がある土地のことをいいます。

東京都内では、

  • 相続で引き継いだ土地
  • 古くから分割されてきた敷地

に多く見られる形状です。

この旗竿地で、特に問題になりやすいのが
**「道路との接し方が建築基準法を満たしているか」**という点です。


旗竿地の接道義務とは?測量・境界確認が必要になる理由

建築基準法では、原則として
建物を建てる敷地は、幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります。

これを「接道義務」と呼びます。

ここで重要なのは、

  • 単に「2mありそう」に見えるかどうかではない
  • どこからどこまでが自分の土地なのか
  • その境界を基準に、2m以上あるのか

で判断されるという点です。

つまり、
境界が曖昧な状態では、接道義務の判断も曖昧になるということです。


なぜ「境界確認」が重要になるのか

旗竿地の相談で多いのが、

  • 昔からこの位置が境界だと思っていた
  • ブロック塀やその他の塀等を基準に考えていた
  • 図面はあるが、内容をよく理解していない

といったケースです。

しかし、

  • ブロック塀やその他の塀等=法的な境界とは限らない
  • 古い図面が、現在の基準で通用しないこともある
  • 道路との境界が未確定なままの土地も少なくない

というのが実務の現実です。

境界が不明確なままでは、

  • 接道幅の測り方が変わる
  • 建築や売却の可否判断ができない
  • 後から境界問題が表面化する

といったリスクが生じます。


現況測量とは?旗竿地の接道幅を把握するための測量

現況測量とは、
現在の建物・道路・塀などの状況を、そのまま測って図面にする測量です。

  • 今の土地の形を把握したい
  • 大まかな寸法関係を知りたい

といった目的には有効ですが、

  • 境界を法的に確定するものではない
  • 隣地所有者や道路管理者の合意は含まれない

という特徴があります。

そのため、
接道義務を最終的に判断する資料としては不十分な場合があります。


境界確定測量とは?旗竿地で接道義務を判断するための測量

境界確定測量とは、
将来にわたって通用する土地の境界を、関係者全員で確認・合意する測量です。

具体的には、

  • 登記簿、公図、過去の測量図などの資料調査
  • 現地での精密な測量
  • 隣接する民有地所有者との立会い・境界確認
  • 公道の管理者(市区町村・都・県など)との立会い・確認
  • 合意内容を書面と図面で整理

といった工程を経て行います。

単なる測量作業ではなく、
「どこが境界か」を関係者全員で共有するための手続きと言えます。


公道管理者との境界確定が重要な理由

旗竿地の接道義務では、
道路との境界がどこにあるかが非常に重要です。

この道路は、

  • 市区町村道
  • 都道
  • 県道

など、管理者が異なる場合があります。

道路との境界は、
民間同士の話し合いだけでは確定できません。

必ず、
その道路を管理する行政機関との確認・合意が必要になります。

ここが未確定のままだと、

  • 接道幅の算定ができない
  • 建築確認が進まない
  • 売却時に説明ができない

といった問題につながります。


実務で実際に悩むポイント(経験談)

実務では、

  • 見た目では2mありそうだが、実際測量すると足りなかった
  • 昔の道路後退部分が未整理だった
  • 公道との境界が一度も確定されていなかった

といったケースに何度も直面します。

ご本人は
「今まで問題なかった」と思っていても、
次の世代や次の取引の場面で初めて問題になることが少なくありません。


費用は高いのでは?期間はどれくらい?

境界確定測量は、

  • 関係者の人数
  • 対象地や隣接地の状況
  • 道路管理者との協議内容

によって、費用や期間が大きく変わります。

一般的には、

  • 数か月単位で時間がかかることが多い
  • 早めに動くほど、選択肢が広がる

という特徴があります。

「急ぎでなければ、今は状況整理だけ」という相談も、実務では珍しくありません。


まとめ|今すぐ使わなくても、把握しておく意味

旗竿地の場合、

  • 接道義務
  • 境界の位置
  • 測量の種類

は、切り離して考えることができません。

今すぐ売却や建替えをしない場合でも、

  • 将来の判断材料を整理しておく
  • 不安の正体をはっきりさせておく

だけで、気持ちはかなり楽になります。

東京都内で旗竿地をお持ちの方、
接道義務や境界について少しでも気になる点があれば、
状況整理の段階から専門家に相談することも一つの選択です。

土地の条件は一つとして同じものはありません。
だからこそ、個別事情に応じた判断が重要になります。

※この記事は、東京都内の旗竿地を想定して解説しています。


ご相談について

旗竿地や接道状況は、図面や現地の状況によって判断が分かれることが少なくありません。
「この土地は再建築できるのか」「境界の確認が必要か」で迷われている場合は、現況を見たうえでの判断が重要です。
不安な点があれば、状況に応じた考え方をご説明しますので、お気軽にご相談ください。