土地・建物の表題部所有者に関する変更・更正登記についてご説明します。

 土地・建物の表題部所有者に関する変更・更正登記とは、土地や建物の登記の表題部に所有者として公示されている人の氏名や住所の不一致を是正するための登記です。その不一致が登記がなされた当初からの誤り(原始的瑕疵)であるときは「更正の登記」、後からの事情により変更(後発的不一致)になったときは「変更の登記」を申請し登記記録を是正します。

 ここで混同してはならないことは、相続や売買等で所有者が変更・所有権持分が変更になった場合には、所有権の保存登記をした上で所有権の移転登記をしなければならず、あくまで土地・建物の表題部所有者に関する変更の登記は、所有者が婚姻等で氏が変更になったこと、所有者である会社の名称が変更になったこと、住所を移転したこと等による後発的不一致を是正するために申請する登記であるということです。

 土地・建物の表題部所有者に関する変更・更正登記は表題部に所有者として公示されている「表題部所有者」から申請することができ、申請義務は課されていません。

 次に、登記がされた当初から誤って(原始的瑕疵)別の人が所有者として登記されていたときになされる「表題部所有者の更正登記」についてご説明します。

 表題部所有者の更正登記は、本当はその不動産の所有者ではないのに、何らかの事情で初めから表題部所有者として登記されているときに、真実の所有者を表題部所有者として是正するために申請する登記であり、真実の所有者が申請することができるものです。そして表題部所有者として登記されてしまっている人の承諾がなければすることができないとされています。

 ここでも混同してはならないのは、相続や売買等で所有者が変更されているのに表題部所有者が以前のままであった場合は、後発的不一致として、所有権の保存登記を前提とする所有権の移転登記により真実の所有者の名義にしなければなりません。